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ヂョン・ヨンドゥ 地上の道のように

こんにちは。DELFONICAミヤモトです。

こないだ、水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催中の「ヂョン・ヨンドゥ 地上の道のように」 を見てきました。

【見どころ】
1. 初期作品から最新作、写真から最新の映像デバイスを使ったメディアアートまで、ヂョン・ヨンドゥの作品を一挙に公開。
2. まるで映画の中の登場人物になったかのような感覚を味わえる、体験型映像インスタレーション作品〈ドライブ・イン・シアター〉の展示。
3. 3D映像によるバーチャルリアリティ体験ができる話題のヘッドセットモニター、オキュラスリフトを使用した新作の展示。
4. 国際的なマジック大会で優勝し、ラスベガスなど世界各地で高い評価を得ているイリュージョンアーティスト、イ・ウンギョルやジャズピアニストの小曽根真が出演する水戸の市街地を舞台とした新作映像作品の展示。
<水戸芸術館のHPより一部抜粋>

3D映像によるバーチャルリアリティ体験ができる部屋では、ヘッドモニターをつけて綺麗な自然の中を歩くバーチャルな体験をするのですが、実際に歩いているのは両側がガラクタやゴミが積まれた小道です。
不思議なものでほんの四~五分もその状態でいるとモニターで見ているバーチャルな森の世界に慣れてしまい、ヘッドセットを外した時に見える現実(ゴミの中)のギャップに戸惑ってしまいました。

このインスタレーション作品は「ブラインド・パースペクティブ」というのですが、ブラインドとは「見えない」という意味のほかに「合理的な理由もなく物事を信じる」という意味もあるそうです。

案外、ヒトはありのままを見ているようでいて、見たいものだけを見る傾向にあるのではないでしょうか。
テクノロジーが進化するとその傾向がもっと顕著になるかもしれません。

現代美術に非現実感を求めて行く方も多いことでしょう。しかし実際にはこの非現実感も現実の一部なのです。目は見えているのに見えるものを信じるあまり盲目のようになってしまった僕の心の目をいちどリセットするためにもとてもいい機会になったと思います。

ヂョン・ヨンドゥ 地上の道のように
水戸芸術館現代美術ギャラリー
2/1まで