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拡張するファッション

みなさんこんにちは。
水戸市にありますヘアサロン、デルフォニカのミヤモトです。

こないだの休みに、水戸芸術館の現代美術ギャラリーで現在開催中の企画展「拡張するファッション」を観てきました。


「ファッションは季節ごとに最新の流行情報を与えるシステムだ――これまで多くの人に、ファッションはそう受け止められてきた。新作コレクションや流行情報の量が圧倒的なあまり、人々はそこに自分の思考を挟むことを、機械的に阻止してしまってきたのかもしれない。でも実は、ファッションを入口にして、さまざまなことを語ることができる。」
(林央子著『拡張するファッション』より)

皆さんはファッションと聞くと、どういう印象を持たれるでしょうか?
ある人は、最新の流行に乗り遅れないように必死になって追いかけるものだと思う人もいるかもしれませんし、ある人は人間に重要なのは中身であって外見を着飾ることにはまったく興味がないと思う人もいるかもしれません。
あなたはどうですか?

1990年代までファッションは自分自身の生き方や考えを他者と共感するために必要なツールとして大きな役割を果たしてきました。
僕自身、ファッションを通じて、音楽やアート、さらにはカウンターカルチャーから哲学まで、間接的にいろいろなことを知るきっかけとなりました。
後にインターネットが急速に普及してきて、それまでファッションが担ってきた役割を、自宅のベッドルームでいとも簡単にウィキペディアやSNSがその役割を果たせてしまったので、ファッションそのものに対する価値観が時代と共に大きくかわった印象を持ちました。
もちろんそれ自体は自然なことですし、僕もそんな時代の波にいつの間にか飲まれていたつもりでしたが、久しぶりにホンマタカシさんのドキュメンタリー風のファッション写真を見た瞬間、ティーンエイジャーの頃に感じた、ファッションを通じて世の中に何か発信してやるぜ‼︎、といった強く能動的な感覚が瞬間的にフラッシュバックしたのでした。

ここには、冒頭であなたがもっていたファッションという概念をことごとく覆すようななにかがあるかもしれません。
もしかしたらファッションとはただの言葉であり、世界を知るために拡張していく単なるトリガーのひとつに過ぎないのかもしれません。

拡張するファッション
会期:2014年2月22日(土)~5月18日(日)
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー