記事一覧

Be Here Now

みなさんこんにちは。
デルフォニカのミヤモトです。

みなさん、ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか?

僕はゴールデンウィークに大好きなティク・ナット・ハンさんという禅マスターの教えを学ぶため4泊5日で富士の麓まで行ってきました。

ティク・ナット・ハン師とはフランスに住むベトナム出身の禅僧で、詩人でもあり、学者、そして平和活動家でもあります。
残念ながらティクナットハン師ご自身は去年、体調を崩され、89歳というご高齢の為今回の来日はできませんでしたが、南フランスにある彼のお寺、プラムヴィレッジ僧院にいる直弟子の数十名の僧侶の方達が来ていろいろと指導してくださいました。やはりヨーロッパにあるお寺だけあって、ベトナムをはじめ、フランス、アメリカ、カナダ、ドイツなど、さまざまな国出身のお坊さん達が今回来日されました。
そして参加者は約500名!そのうち150名は外国人でしたのでとても国際色豊かでした。

さて今回は一体何を学びに行ったかというと、「マインドフルネス」という禅のキーポイントとなるものを学びに行ってきました。

「マインドフルネス」をはじめて聞いた方もいると思いますが、簡単にそして現代風に言えば心のトレーニングのようなものです。
日本語にすると「注意深いこと」「気づくこと」といったところでしょうか。

ここ最近、グーグル社やインテルなど欧米の企業がこぞってマインドフルネスを取り入れるようになってNHKでも特集が組まれたりしたので、日本でも少しずつマインドフルネスという言葉を聞くようになりましたが、いま世界各地でちょっとしたムーブメントが起きているようです。

この映像はカリフォルニア・シリコンバレーにあるグーグル本社の社員教育の一環として行われたsearch inside yourselfというプログラムです。社員をこういう形でケアできるのはさすが世界のトップ企業です。

ちなみにアップルのスティーブジョブス氏はすでに70年代から禅のマインドフルネスを取り入れており、禅のシンプルな世界観と極限まで無駄を省いたアップルのミニマムデザインはきっと無関係ではないはずです。
とくにほとんどの操作を1枚のガラス板の上でできるようにしたiPhoneは、公私にわたり「集中とシンプルさ」を信条としてきたジョブズの真骨頂だといえるでしょう。

さて話はそれましたが、じっさい僕がどんなトレーニングしてきたかというと、 座る、歩く、食べるといったごく日常の動作をする中で、ただただ呼吸に気づき、ただ歩いていることに気づき、ただゆっくりと食事を味わう。
ファイル 132-1.jpgファイル 132-2.jpg
小鳥のさえずりや風の音を感じながらただ歩いていることに気づく。富士山を眺めながらどっぷりと温泉のお湯に浸かり温かさや心地よさを身体全体で気づく。
自分の呼吸に注意を向け、心の底からリラックスしていることに気づく。

こう書くと、なーんだ何もしてないじゃないか!と当然思うことでしょう。しかし意識的に”いま、ここ”で起きている身体感覚を味わうように注意を向け続けていくと、次第に心に落ち着きと集中力が出てきて頭がスーっとなってスッキリしてくるのです。
頭が空っぽになってくるとはじめて普段自分がいかに考え事ばかりしているのか、そしてその考えのほとんどは生産性がなくいかにエネルギーの無駄使いをしているのか、そしてそのエネルギーの無駄使いがいかに自分のパフォーマンスを低下させているのかがはっきり見えてきます。
無駄な思考が減ると、深い洞察力が出てくるので、思わぬ気づきが現れます。
普段と思考パターンが変化するので今までとは全く違う新鮮なものの見え方、そしてそこから新しいアイデアなどにつながりやすくなるのです。

もちろんそういうアイデアなどは副次的なものでありますが、仕事とくにクリエイティブな仕事を職業とする人にとってはとても嬉しい効果であるといえます。

マインドフルネスは最近の心理療法でも取り入れられているので、不安を軽減させ、気持ちを明るくすることができますが、真の目的はなんといっても心をいつも平和に保ち、幸せに生きていくことでしょう。

今回学んだ経験を生かして、これからはできる限り生活にマインドフルネスを取り入れて充実した時間を過ごしたいと思います。
そしてその気づきから得たアイデアをヘアデザインにも生かしサロンワークを通して僕なりのマインドフルネスをみなさんに還元できたらと思っています。

みなさんも是非、意識を”いま、ここ”に向けマインドフルネスを取り入れてみてはいかがでしょうか。
きっといままで見えなかった新しい自分に出会えるかもしれません。